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「働く人を大切にしよう」と考えたきっかけは何ですか?
取締役 神田 俊勝様
働く人を大切にしようと思うのは、子供を大切に思う気持ちと同じですので当然の事だと思っております。
また人を大切にしようという事に関しては学生時代に青春を捧げてきたサッカーから学んできた事が多くチームビルディングや組織作り、自己管理の大切さなどスポーツで学んだ事を経営に活かしている部分が多いです。
もう一つ、ディズニーで働いてる方からも大きな影響を受けました。人の成長が、自分達の大きなやりがいに繋がる事、誰かの為に仕事をする事が自分の幸せに繋がる事を学びました。スポーツとディズニー、人が輝く組織で学んだ事が私の原点です。
『この人に出会えて良かった』『この会社に入れて良かった』と、お互いに感謝しあえる環境が必要だと思っております。
また、会社の理念は『夢獲得企業』ですので弊社グループ店舗や独立会社から良い店舗が増え、そこで雇用がたくさん増え、そしてお客様が笑顔になれる空間がたくさん増える事が我々が考える社会貢献だと思っております。
具体的に、社員やスタッフの方々をどのように大切にしていますか?
代表的なものに『カンテラ祭』という成果発表会&卒業式というイベントがあるのですが、これは社員・スタッフの一つのゴールとして位置付けています。
春の採用から始まって、夏の育成、冬の繁忙期に成熟させて、3月に終了。で、次の年はまた、新しいチームになります。この年間のストーリーに合わせて、毎月何かしらのイベントを配置しています。
毎月のイベントでは例えば入ったばかりのメンバーにモチベーションをあげてもらうため、“新人パートナー研修”や“アンケート良かったスタッフダービー”などもあります。
その他、社員も含め400名集まる“フットサル大会”や、沖縄旅行や韓国旅行などの豪華賞品がもらえる“秘密のメニューNO1GP”などのイベントがあり、店舗が変わっても成長できるように、会社とパートナー、幹部とパートナー、店長と他店のアルバイトなどが接する機会を積極的に作るようにしています。特に一人1回しか参加ができない“夏の合宿”は、別の店舗の人たちと一つのチームになるので、合宿後もよい関係が続き横や斜めのつながりに大きく貢献をしています。
このような仕組みを作るのはなかなか大変だと思うのですが?
5年くらいかかりました。初めはイベントもすべて点だったんですけど、最終的にカンテラ祭りができてやっと一つの線につながりました。
イベントが線になったことで、アルバイトから社員に上がってきやすくなってきて、店舗数が多い会社ではないのですが、この一年で15人もアルバイトから社員になっています。
そのおかげもあり、採用難と言われる昨今でも7年以上求人媒体を使った中途採用・新卒採用は行っておりません。全て、下部組織から上がってくる仕組みとなっております。
この先、社員のために考えていることはありますか?
そうですね、うちの会社に就職するメンバーだけでなく、うちのお店で頑張ってくれた子を自信を持って推薦できる、指定校みたいな就職支援ができたらと思っています。
就職支援がうまくいけば、就職活動期間は短くなるし、アルバイトを続けることもできる。人として成長できれば、内定ももらいやすいと思うので、そんなメンバーに何かしらの出口をつくってあげたいと思っています。
また、うちは経営者となって社員が独立していくのを推奨しています。優秀な人ほど独立をしていくので、新しい人を入れて育てないと幹部がいなくなってしまうようなものなんです。野球の強豪校のように、いい監督がいれば選手が育つというような文化を作って、人を成長させることができる会社であり続けることは常に課題です。
将来的にはうちで育った人財と、パートナーとしてつながっていけたら、とても嬉しいですね。
優秀な人が抜けてしまうのは会社としては痛手になりそうですが・・・?
優秀な社員が独立するとき、それについていく社員やメンバーもいるのですが、うちではそれを認めています。それぞれの組織にいい人が集まって、いい企業が増えれば、お客様に喜んでいただける環境が増えるので、結果、うちの理念への取り組みとなると考えているのです。この理念が社員やメンバーの目標や目的になるので、これがうちの会社が伸びていく根底にあるものでもあります。なので、難しいのですが挑戦しています。
飲食で働く人はたくさんいますが、会社が目的を与えてあげて、
将来像をみせることができるという環境は学生さんにとってもとてもいいですね。
私たちは、居酒屋のスペシャリストを育てているわけではありません。
人として幸せであるように、そして社会人として優秀な人財になれるように考え方や接し方などを教育するため、合宿や研修を行っています。料理やサービスがいいことも大切ですが、それだけではない教育を大切にしたいと考えているので、そのための舞台を用意し、年間を通してイベントを行っています。これが正しい方法なのかはわかりませんが、私たちはそう信じて行っています。
確かに、働く場で学べることってたくさんありますよね。
会社がどう取り組んでいるかによって、受け取り手への影響も変わりそうです。
そうですね。最近労務問題がきびしくなってきているので、研修と労働の関係がハードルになってきている部分もありますが、それでもやっていきたいと思っています。
イベントや研修を通して、入社時にまったく興味がなかった子が社員になったり、一度やめた子が戻ってきたりすることもあり、そういうときはとても嬉しいですね。
戻ってくる人は多いですか?
有難い事に社員として戻って来てくれる子たちも多いです。
一度、社会に出て数年後に弊社に戻ってくれる子達は強いです。
業界全体の定着率が低い中で、社員のモチベーションをどのように考えていますか?
現場社員が様々な体験ができるように次のステージを経験させる為に店長の入れ替えなどは1年半〜2年に一度行っております。
本当は店長の入れ替えをしない方が業績が保てて良いのですが経営者を育てるという事を考えると様々な立地で他業態を経験させる事が大切だと思っております。全員が経営者になれるわけではないので適材適所で人が輝くポジションを考え配置転換も考えております。
とても楽しそうですね!
いろいろな人やチャンスとの出会いもあって、やめる気にならないのではありませんか?
理由なしに辞める人はほとんどいませんね。人と接することが楽しいと思ったらやめられないと思います!
私たちは単純に“楽しい”ということも重要だと考えています。楽しいと人は“フロー状態”に入り、パフォーマンスがグーンと上がるんです。楽しみ=学び=成長 とつながっていくことで、若者を刺激できているのではないかと思います。
私たちは、『成長するしくみ』と『楽しむ風土』をとても大切にしています。
お金も重要ですが、それ以上にわくわくするような仕事をしたい!そう思っています。