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グローイング・アカデミー、有本 均学長が“人を大切にする”企業のトップと対談する企画。
第4弾は創業116年の老舗の仏具屋、株式会社永田屋 永田 浩三社長との対談です(以下敬称略)

創業116年の老舗仏具店、
将来を見据えた若手の採用・育成が会社の永続へ

有本

愛知県で知らない人はいない、老舗の仏壇店ですね。私も愛知出身で昔からCM等で拝見しておりました。
そんな永田屋様ですが、「人」という大きなテーマで何かお考えはお持ちですか?

永田

ありがとうございます。おかげさまで創業から116年が経ちました。
地元地域の皆さまに支えられてこそだと思います。人という面ですと2050年をベースに考え、若手の採用・教育に対して力を入れています。
政府が出したデータによると、2050年・約30年先には人口が1億人切るといわれています。およそ2割近くの人口減少が起きるため、労働人口も必然的に減少してしまいます。
そうなると、収益が保たれていても人的倒産をしてしまう企業が増加する事が予想されます。大手の企業でもアルバイトの採用が困難になり、働き手が確保できず店舗をオープンすることができないという状況が必ず来ると思います。
それを防ぐためにも私たちは現在、新卒社員や若手のアルバイトの採用・教育を行い、長く働いてくれる社員を育てることで来るべき時代に備えています。

有本
なるほど。30年という近い将来の事を考えると今から対策を練らなければなりませんね。若手社員の採用とのことですが、新卒社員の方の採用は今までずっと行ってきたのですか?
永田
実は新卒採用は数年前までは行っていなかったんです。「仏具屋で働きたい」という考えを持つ若い方はいないと思っていたこと、そのため大卒の求人を出したところで採用ができるわけがないと考えがありました。
採用ができる見込みが無いのに、採用コストをかけるのは無駄ではないのかと思っていました。そんな弊社ですが、新卒採用を始めたきっかけとしては、新卒採用の媒体の方が来たときの一押しで、「試しにやってみよう」という事で求人を出してみた、という些細なことでした。
不安はありましたが、いざ求人を出すと多くの募集をいただいたんです。老舗である「永田や仏壇店」という名前が地元の方に響いたのだと思います。創業から長く続く為、安心感があったのかもしれません。
会社説明会にも多くの方に参加いただき、無事に新卒社員を採用することができました。ただ、新卒を採用するとなると教育システムの確立ができていなかったため、新卒の教育プログラムを作成しました。その際にたまたまグローイング・アカデミーと縁があったため、社内で出来る事は社内研修で、外部にお願いできる部分はグローイング・アカデミーにお願いすることにしました。
今年も7名の新卒社員を採用し、その社員向けに研修プログラムを組みました。ただ、それだけでは足りない部分もあるため、今後は1カ月に1回フォローアップ研修を導入しようかと考えています。
導入研修後、店舗の中だけに留まると日々の業務の忙しさに、モチベーションを保つことができないと思うのです。そこでフォローアップ研修を行う事で新卒社員のケアをし、モチベーションを上げてもらい現場に戻ってもらおうと考えています。
有本
そのフォローアップの研修は永田社長が考えられるのでしょうか?
永田

研修に関しては、社員研修に長けている者と縁があり、その者を執行役員として迎え入れ、本格的に教育体制を整えています。
フォローアップ研修の内容に関してもその執行役員が考えています。それまでは私が教育を担当していました。弊社では代表取締役が2名おり、三河地区のCOOを私が、兄が尾張地区のCOOを行っています。三河に本部機能があるために私が教育を担当していました。そのため、社内研修やグローイング・アカデミーなどの外部研修の活用など、教育に関しての取り組みに私自身が積極的に行ってきました。さらなる教育体制の確立として、今回の迎え入れがあります。



有本
会社の変革の一つですね。社長の熱意が伝わります。先ほど離職率のお話がありましたが、御社の離職率はいかがでしょうか。
永田
離職率は低いです。コミュニケーションが取れており、社員同士の仲が良いからだと思います。 ただ、仲が良いだけでは現代の社会では生き残ることができません。 そのためにも会社全体のレベルアップの為に教育が必要だと考えています。 優しい所は優しく、厳しい所は厳しく、とメリハリをつけていきたいですね。
有本
あるアンケートでは「会社を辞めない理由」の一つとして「コミュニケーションが取れているから」という回答をされた方が多くいらっしゃいました。老舗企業だからこその仲の良さもあると思います。厳しさという面でも変革が必要ですね。新入社員の方以外への研修は何か行っていらっしゃるのでしょうか。
永田
以前はモチベーション系の研修を外部の方にお願いしていました。ただ、モチベーションをあげるだけではなく、スキルに関してのレベルアップが必要だと考えています。
そのためにも現在は新卒社員以外の研修についても検討中です。
有本
教育をしっかりと行い、会社からの要望には応えていただいた上で長く働いてくださるのが一番ですね。その辺りでは評価制度が関わってくると思いますが、社員の皆さまに対しての評価制度についてはいかがでしょうか。
永田
評価制度に関しては改善を重ねています。社員の頑張りがしっかりと評価に繋がっているのか。
また、社員からみて会社からの評価が伝わるかを見ながら日々改善していきます。
有本
アルバイトの方もいらっしゃるのでしょうか。
永田

主婦層の方で多くいます。また、今は若手の採用も行っています。
今後はアルバイト・社員共に若手の方の採用も積極的に採用を行っていきたいですね。新卒社員はどんどん成長して、20代後半には店長になってほしいと考えています。男性だけではなく女性もです。
また、今後は大卒の新入社員だけではなく、高卒の新卒も採用していきたいと考えていきます。これからの未来を担っていく若い方をどんどん採用し、しっかりと教育し、活躍していただきたいです。

有本
若手社員の教育が、会社の永続のカギになるということですね。将来を見据えているからこその取り組みを伺う事ができました。
本日はありがとうございました。